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北端 琢也; 清田 史功; 白鳥 芳武; 井口 幸弘; 松井 祐二; 佐藤 裕之
JNC TN3410 2000-014, 43 Pages, 2000/09
新型転換炉ふげん発電所は核燃料サイクル開発機構法にもとづき、平成15年度までに運転を停止することになっており、現在、廃止にともなう措置に関する技術の開発及びこれに必要な研究(以下「廃止措置技術開発」という)を実施している。この廃止措置技術開発を計画・実施するにあたり、「ふげん」を国内外に開かれた技術開発の場として十分に活用するとともに、当該技術開発で得られる成果を有効に活用することを目的として、サイクル機構外の有識者で構成される「ふげん廃止措置技術専門委員会」を平成11年12月に設置し、平成11年12月14日に第1回委員会が開催された。平成12年度も引き続き設置され、平成12年8月28日に第2回委員会が開催された。本書は、第2回ふげん廃止措置技術専門委員会において配布された資料集であり、「ふげん」廃止措置への取り組み状況、生体遮へい体コンクリートの放射化量評価、コンクリート中のトリチウム濃度測定方法の検討、「ふげん」の廃止措置技術開発の進め方についてまとめたものである。また、併せて、当該委員会において参考として報告された系統化学除染の実施状況についても記載した。
庄野 彰; 佐藤 若英*; 栗原 国寿
JNC TN9400 2000-037, 87 Pages, 2000/03
水冷却型増殖炉の核特性の特徴を把握するために、公開文献に基づいて沸騰軽水を冷却材とした炉心、それをベースに冷却材を非沸騰重水及び非沸騰軽水に置換した炉心、ならびに高速炉の代表炉心として大型Na冷却MOX燃料炉心の仕様を設定し、基本的な核特性の比較検討を実施した。高速炉用非均質セル計算コードSLAROMと軽水炉解析に汎用的に用いられているSRACの解析結果を比較し、転換比・中性子スペクトル・エネルギー領域別反応割合・1群断面積等について、両コード間の差は小さく、高速炉核特性評価システムが水冷却型増殖炉の基本的核特性の検討に適用可能であることを確認した。SLAROMコードを用いて上記4種類の炉心の核的パラメータ及び増殖性に見られる相違を考察した。冷却材の変更によって、中性子スペクトル・値・主要エネルギー領域等が変化する傾向を把握した。水冷却型増殖炉では、冷却材中に存在する水素(または重水素)の影響で低エネルギー成分の中性子束が高速炉に比べて増大し、その結果、主要エネルギー領域が低エネルギー側に移行し、核分裂性核種の値が低下するが、MOX燃料を稠密に配置して増殖性を担保する設計であることが理解できた。Pu同位体組成が増殖特性に及ぼす影響をSRACコードの燃焼解析機能を用いて検討し、Pu-240含有率が大きい組成のPuを装荷した場合には転換比が大きく算定される傾向にあることを定量的に評価した。臨界性及び反応率比に対する感度解析により、沸騰軽水冷却増殖炉では、高速炉に比べて、1KeV以下のエネルギー領域における感度が増加することがわかった。断面積不確かさに起因する核設計予測精度評価については、現在核データセンターで共分散データの見直し中であるため、現状の共分散データを用いて暫定解析結果を得た。見直し後の最新共分散データを用いた内部転換比予測精度評価が今後の課題である。
太田 吉美*; 児玉 清次*; 大西 幸男*; 内山 和幸*
JNC TJ3410 2000-021, 73 Pages, 2000/03
「ふげん」の廃止措置プロジェクトを合理的かつ円滑に進行させるためには、廃炉作業の計画について、事前に詳細な評価を行う必要がある。このための必要不可欠なデータとして、現在の「ふげん」の建屋躯体、主要機器、配管、空調ダクト、ケーブルトレイ、操作架台等の物量の総量を把握する必要がある。これらのレイアウトデータの3D-CAD化を実施し、これを有効活用することにより、運転、監視、廃炉措置計画等のプラント管理全般にわたる業務の高度化を図るものである。そのため平成11年度は、燃料建屋、廃棄物処理建屋、及び中間建屋についての概略の物量評価を実施した。特に、廃棄物処理建屋内については別途実施する内蔵放射能評価と連携し、放射性廃棄物の正確な評価を実施する必要があることから、また、廃止措置計画全体に対する影響が大きい事から、詳細にデータ入力作業を行った。
太田 吉美*; 児玉 清次*; 大西 幸男*; 内山 和幸*
JNC TJ3410 2000-020, 80 Pages, 2000/03
「ふげん」の廃止措置プロジェクトを合理的かつ円滑に進行させるためには、廃炉作業の計画について、事前に詳細な評価を行う必要がある。このための必要不可欠なデータとして、現在の「ふげん」の建屋躯体、主要機器、配管、空調ダクト、ケーブルトレイ、操作架台等の物量の総量を把握する必要がある。これらのレイアウトデータの3D-CAD化を実施し、これを有効活用することにより、運転、監視、廃炉措置計画等のプラント管理全般にわたる業務の高度化を図るものである。そのため、平成11年度は、重水精製装置建屋、新廃棄物処理建屋、及び屋外設備についての概略の物量評価を実施した。特に、新廃棄物処理建屋内については別途実施する内蔵放射能評価と連携し、放射性廃棄物の正確な評価を実施する必要があることから、また、廃止措置計画全体に対する影響が大きい事から、詳細にデータ入力作業を行った。
飯島 隆; 白鳥 芳武; 松本 光雄; 川島 仁*
JNC TN3410 2000-002, 93 Pages, 2000/01
ふげん発電所は新型転換炉の原型炉であり、熱中性子炉におけるプルトニウム利用において、昭和54年3月の運開以降、これまでに各種の混合酸化物(MOX:Mixed Oxide)燃料集合体を原子炉に装荷するなど、核燃料の多様性を実証してきている。また、運転開始以来、燃料集合体の漏えいは1体もなく高い信頼性を得ており、MOX燃料集合体も700体を超える使用実績を有している。この数は熱中性子炉として、世界最大の使用体数を誇っている。しかしながら、新型転換炉開発についてはその役割が終了しつつあることから基本的に撤退し、「ふげん」については平成15年に運転を停止することが決定されている。そのため、限られた運転期間において、過去の技術開発成果を含め、プルトニウム利用技術やプラント管理技術についてとりまとめたものである。
毛利 智聡; 大谷 暢夫
PNC TN9410 98-056, 72 Pages, 1998/06
臨界工学試験室では、核燃料施設の臨界安全管理に有効な未臨界度モニターの開発を進めている。これまで、重水臨界実験装置(DCA)を測定対象として、ファインマン-法による重水減速体系の未臨界度測定研究が実施され、核燃料施設で問題となる低い実効増倍率体系の未臨界度を検知できることが確認されている。ここでは、核燃料施設において一般的な軽水減速体系に対しても、未臨界度の検知が可能であることを確認するため、DCAの未臨界度測定試験炉心にウラン燃料およびMOX燃料を装荷した軽水減速体系を対象として未臨界度測定実験を実施した。測定の結果、中性子計数率の低い軽水減速体系においても、実効増倍率が0.6230.870の範囲で、未臨界度を示す値の検出が可能であることが確認された。また、実効増倍率の0.050.10程度の差異を検知できることも確認された。輸送計算コードTWODANTおよびモンテカルロ計算コードKENO V.aを用いて試験体系の値を計算し測定データと比較した。値から評価した実効増倍率の計算値と測定値の差は13%以下であり、未臨界度モニターとしては十分な精度で値が求まることが確認された。ファインマン-法が、低い実効増倍率の軽水減速体系でも未臨界度測定手法として有効であることが明らかとなった。
松本 光雄; 鴨志田 洋; 川又 伸弘
PNC TN1410 98-005, 96 Pages, 1998/03
動燃事業団大洗工学センター原子炉工学室において、平成8年度に54本クラスタ燃料を用いた下降管破断実験、主蒸気管破断実験等が実施された。ここでは、従来の「ふげん」安全評価コード及び軽水炉の安全評価コードであるRELAP5コードにより、上記の下降管破断実験及び主蒸気管破断実験を解析し、「ふげん」安全評価コードの妥当性を評価した。この結果、以下のことが明らかとなった。(1) 「ふげん」安全評価コードは、ドライアウト後の被覆管温度について、実験結果に対して高めの値を算出し、保守的な評価をしていることが確認できた。(2) 「ふげん」最適評価コードのリターンモデルは、実験時の被覆管温度挙動に見られるドライアウト及びクエンチ現象をよく再現できることが確認できた。(3) RELAP5コードは、「ふげん」の下降管破断を模擬したLOCA実験時の伝熱流動現象をほぼ再現し、同コードがATR体系のLOCA解析にも使用できる可能性があることが分かった。
岸田 雅子*; 内田 正治*; 吉岡 直樹*
PNC TJ3678 98-001, 206 Pages, 1998/03
平成4年度からこれまで、システムの簡素化と受動的安全性を重視した先進的なATRプラント概念の構築を目指し、従来のATRをベースに「ATRの特徴を活かす炉心冷却アイデア」を取り入れた要素技術の検討が実施されてきた。本研究ではこれまでの要素技術検討をまとめ、プラント構想、事故シナリオ、主要システム概念、格納容器(配置を含む)について検討し、安全性を向上した、合理的な中小型ATRパッシブ安全炉PS-ATR(以下PS-ATRと称する)のプラント概念を構築した。1要素技術の検討1)1000MWt自然循環型ATR原子炉・冷却系のシステム概念を構築した。2)受動的余熱除去機能を有する重水冷却系のシステム概念を構築した。2プラントシステム概念の構築1)原子炉本体は、上部よりの燃料交換方式として、格納容器の下部に設置したパッシブな安全系により原子炉本体が水づけにできるように、事故後の炉心冷却を確保できるようにした。2)原子炉冷却系は、自然循環型再循環方式とした。ただし、PS-ATRでは2ループとする利点が少ないため、システムが簡素化できる1ループ構成として、環状の蒸気ドラム、下部ヘッダを採用してスペースの有効利用をはかる方式とした。3)安全系の構成は、崩壊熱の除去、炉心への注水がパッシブなシステムで可能なようにして、電源喪失、小漏洩、大漏洩等の事故時のシナリオを検討して容量の設定、システムの成立性を確認した。以下にその構成を示す。ギャップ注水系+静的重水冷却系(崩壊熱除去機能)自動減圧系(減圧機能)蓄圧タンク注水系(注水機能)重力注水系(注水機能)原子炉格納容器冷却系(C/V圧力減圧、崩壊熱除去機能)4)以上の概念の格納容器内配置を検討して配置概念図を作成した。
Lund
PNC TN3410 98-002, 34 Pages, 1998/01
ふげん版モジュール型事故解析プログラム(MAAP/Fugen)の新たに改善されたグラフィカル・ユーザー・インターフェイス(GUI)が開発され、実際にふげんで利用された。新しいインターフェイスは、既存のMAAPのGUI-MAAP/FUGEN/GRAAPH- の上位版である(このインターフェイスが、GRAAPHのすべての機能を有し、加えていくつかの新機能を提案しているという意味で)。MAAP-PICASSOと名付けられた新しいインターフェイスは、ノルウェーエネルギー技術研究所/OECDハルデン・リアクター・プロジェクトによって開発されたPicasso-3の技術を基盤にしている。MAAP-PICASSOとMAAP-FUGEN-GRAAPHのGUIの主な違いは、MAAP-PICASSOのGUIが数値シミュレータから完全に分離していることである。このことは、GUIの向上、外部ソフトウェアや他との接続、そしてユーザーとの親和性を考えると、さらに高い自由度を与える。また、2バイト文字セット-すなわち日本語文字のテクストを表現する技術も含んでいる。MAAP/GRAAPHに与えられるグラフィカルプラント情報をPicassoプログラミング言語で自動的に取得・再利用するために、特別のソフトウェアが開発された。このソフトウェアは、「ふげん」のプラントデータ上だけでなく、Fauske社から与えられた他の原子力プラントの画面でも実証された。新たなGUIは、MAAPコード自身の最低限の修正が必要になる。しかしながら、それらの修正はパラメータ通信のためだけで、MAAP自身の数値計算をじゃまするものではない。GUIは、モジュール型オブジェクト指向プログラミング技術を使用して開発され、「ふげん」のユーザーからの現在及び将来の要求に応える拡張と変更が比較的容易に行える他、MAAPコードの将来バージョンとも互換性と有する。MAAP-PICASSOは、HP UNIXワークステーション上でのみ、開発され現在稼働している。しかしながら、新しいPicasso-3のNT版が、1998年2月にハルデンプロジェクトから公開されるだろう。これは、MAAP-PICASSOのGUIの適用性と使いやすさをさらに高めることになろう。
Lund
PNC TN3410 98-001, 14 Pages, 1998/01
ふげん発電所で、選択されたプロセス機器の挙動をオンラインでモニタするシステム:CONFU(CONdition monitoring Fugen)が実施された。このシステムは、IFE・OECDハルデン・リアクター・プロジェクトで開発されたMOCOM(Model Based Condition monitoring System)を基にしている。システムは、現在、原子炉補機冷却系熱交換器をモニタしている。これらの熱交換器は、目詰まり(海水側有機材料の耐熱層への蓄積物)によって、時間とともにゆるやかに効率が低下することを示した。従来の制御・警報システムでは感知されないこのゆるやかな低下は、運転の問題ではなく、むしろ保守の問題である。CONFUは、熱通過、熱伝達率または温度効率で表現される熱交換器の、効率低下を計算する動的な最新数学モデルを使用している。実機データでCONFUをテストした結果は、予想された低下傾向と一致している。CONFUからのデータは、よく最適化した保守スケジュールを決定するため、保守計画の担当者によって利用可能である(加えて、プラント運転員に機器の運転状況について良好な印象を与えている)。さらに、CONFUのプロセスモデルはシミュレーション目的に使用された。
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PNC TN1440 97-005, 76 Pages, 1997/09
1高速増殖炉の開発1.1高速実験炉「常陽」の運転1.2高速増殖原型炉「もんじゅ」の建設、試運転1.3FBR研究開発2新型転換炉の開発2.1原型炉「ふげん」の運転2.2ATR研究開発3ウラン探鉱・転換開発3.1海外調査探鉱3.2探鉱・製錬技術開発3.3環境保全対策3.4転換技術開発4ウラン濃縮技術の開発4.1ウラン濃縮工場4.2遠心分離法技術開発4.3レーザー法濃縮技術開発5プルトニウム燃料の開発5.1MOX燃料製造5.2MOX燃料製造施設建設5.3プルトニウム燃料研究開発5.4プルトニウム混合転換技術開発6使用済燃料の再処理6.1再処理工場運転6.2高速炉再処理技術開発6.3再処理基盤技術開発7放射性廃棄物の環境技術開発7.1高レベル放射性廃棄物処理技術開発7.2高レベル廃棄物地層処分研究開発7.3TRU廃棄物の処分研究7.4地層科学研究7.5国際協力8創造的・革新的研究開発8.1新概念の創出に向けた研究8.2原子力基盤技術開発8.3陸域地下構造フロンティア研究9核物質管理と核不拡散対応9.1核物質管理・核物質防護9.2核不拡散対応9.3保障措置9.4核物質輸送10安全管理と安全研究10.1安全管理10.2品質保証・許認可10.3安全研究11関連共通事業11.1企画・調整・評価11.2技術協力・開発技術の利用・技術管理・情報センター11.3国際協力11.4技術者研修・養成12一般管理業務12.1人員12.2組織機構12.3広報活動
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PNC TN1410 97-034, 338 Pages, 1997/09
本書は、新型転換炉(ATR)のATR熱水力設計技術について、「ふげん」の設計技術から高度化を図るための研究を実施し、その妥当性等について、学識経験者の審議を通して集大成したものである。ATR実証炉の開発において「ふげん」の開発で培われた解析手法、解析コードを基に「ふげん」の運転実績等を踏まえつつ、設計手法の改良を行っており、それを基にATRの熱水力設計手法の高度化を図っている。特に熱的余裕の指標については、「ふげん」のMCHFRからMCPRに変更し、確率論的な評価手法を開発・導入している。このため、熱的余裕の評価の観点から特に重要な限界熱流速、圧力損失係数等の相関式については、実規模試験データとの対比により、その妥当性を検討した。また、チャンネル流量配分解析コードHAPI(AQUERIOUS)については、「ふげん」におけるチャンネル流量測定データとの対比により計算精度を確認した。さらに、バーンアウト発生確率解析コードDERIV-1については、モンテカルロ法による解析手法及び解析に用いられるデータベース等の妥当性を検討した。このほかに、熱水力安定性、炉心安定性、自然循環時の冷却性及び重水温度分布特性の評価手法について検討した。なお、本書のATR実験炉に係わる検証等には、通商産業省委託事業である新型転換炉技術確証試験の成果を用いている。
小貫 徳彦; 舘野 久夫; 周治 愛之; 植松 真一; 栗田 一郎; 菊池 圭一; 肥後 淳一
PNC TN8410 97-272, 143 Pages, 1997/08
高燃焼度MOX燃料の開発の一環として,照射用54本燃料集合体4体を「ふげん」炉にて照射した。熱中性子炉用MOX燃料の高燃焼度領域での挙動と集合体規模での健全性実証を計画し実施した。上記燃料集合体関連の,設置許可申請に係る安全審査プレヒアリング用資料を纏めたものである。上記安全審査資料と軽水炉設置変更許可申請書,等による纏めと,燃料設計手法や評価手法検討のまとめを含む。
山口 隆司
PNC TN1410 97-030, 107 Pages, 1997/08
新型転換炉(ATR)の安全評価事象である「原子炉冷却材喪失」の内、大破断事故に分類される事象における熱水力過渡変化、炉心再冠水挙動及び燃料温度過渡変化の評価では、大破断時熱水力過渡変化解析コードSENHOR、炉心再冠水特性解析コードFLOOD及び燃料温度解析コードHEATUPをそれぞれ用いている。ここでは、大破断事故解析時に使用する各コード間の関係(解析フロー)及び各コードの概要を示す。1.1解析コード体系安全評価のための冷却材喪失事故(以下LOCAという)解析コードシステムは、ATRの大破断時熱水力過渡変化解析コードSENHOR、中小破断時総合熱水力過渡変化解析コードLOTRAC、燃料温度解析コードHEATUP及び炉心再冠水特性解析コードFLOODから構成され、大破断事故解析には、SENHOR、FLOOD及びHEATUPを用いた一連の解析により安全評価を行う。SENHORは、非常用炉心冷却設備(以下ECCSという)作動特性を考慮してブローダウン時の原子炉冷却設備内の熱水力学的な挙動及び燃料の温度挙動を解析すると同時に、原子炉熱出力変化特性も解析する。SENHORから得られた原子炉熱出力及び蒸気ドラム圧力の時間変化等を基にFLOODにより、急速注水系(以下APCIという)の注水量変化と炉心での蒸発量を考慮した平均再冠水速度を解析し、燃料被覆管温度ターンアラウンド開始時間とターンアラウンド後の熱伝達率を求める。SENHORから得られた熱水力学的挙動のデータ及びFLOODから得られた燃料被覆管温度ターンアラウンド開始時間等を基に、HEATUPにより、燃料要素の詳細な温度変化を解析し、燃料被覆管最高温度及び被覆管酸化量を求める。1.2解析コード1.2.1SENHORコード大破断時熱水力過渡変化解析コードSENHORは、大破断解析用に開発されたコードであり、ブローダウン時の原子炉冷却設備内の熱水力学的な挙動及び燃料の温度挙動を解析する。
山口 隆司
PNC TN1410 97-029, 65 Pages, 1997/08
新型転換炉(ATR)の安全評価事象である「原子炉冷却材喪失」の内、中小破断事故に分類される事象における熱水力過渡変化及び燃料温度過渡変化の評価では、中小破断時総合熱水力過渡変化解析コードLOTRAC及び燃料温度詳細解析コードHEATUPをそれぞれ用いている。ここでは、中小破断事故解析時に使用する各コード間の関係(解析フロー)及び各コードの解析モデルを示す。1.1解析コード体系安全評価のための冷却材喪失事故(以下LOCAという)解析コードシステムは、ATRの大破断時熱水力過渡変化解析コードSENHOR、中小破断時総合熱水力過渡変化解析コードLOTRAC、燃料温度解析コードHEATUP及び炉心再冠水特性解析コードFLOODから構成され、中小破断事故解析にはLOTRAC及びHEATUPを用いた一連の解析により安全評価を行う。LOTRACは、非常用炉心冷却設備(以下ECCSという)作動特性を考慮してブローダウン時の原子炉冷却設備内の熱水力学的な挙動及び燃料の温度挙動を解析すると同時に、原子炉熱出力変化特性も解析する。なお、プラント制御系による影響を考慮した解析も可能としている。LOTRACから得られた熱水力学的挙動のデータ及びECCS注水特性挙動データから得られる燃料被覆管温度ターンアラウンド開始時間、ターンアラウンド後の熱伝達率等を基に、HEATUPにより、燃料要素の詳細な温度変化を解析し、燃料被覆管最高温度及び被覆管酸化量を求める。1.2解析コード1.2.1LOTRACコード中小破断時総合熱水力過渡変化解析コードLOTRACは、中小破断時における長時間の解析用に開発されたコードであり、ブローダウン時の原子炉冷却設備内の熱水力学的な挙動及び燃料の温度挙動を解析する。
山口 隆司
PNC TN1410 97-027, 12 Pages, 1997/08
格子計算は、炉心出力分布計算、反応度特性計算等の炉心核特性計算に必要な単位燃料格子平均の核定数を計算するものである。主な核定数を以下に示す。(a)無限増倍率(k)(b)中性子移動面積(M2)(c)拡散計算用断面積(D、a、f、r)(d)局所出力分布(e)同位元素組成格子計算コードは、英国で開発された「WIMS-D」コードを基に、動力炉・核燃料開発事業団大洗工学センターの重水臨界実験装置(以下DCAという。)における実験解析及びATR原型炉「ふげん」の炉心管理を通じ、解析精度の向上を目的として、Honeckモデルによる温度依存性を考慮した重水散乱断面積の追加等の改良・整備を行なった「WIMS-ATR」コードを使用する。また、制御棒に隣接する格子の核定数作成には、制御棒による中性子吸収量の計算が必要である。この計算は、制御棒効果計算コード「LOIEL BLUE」を使用する。このコードは、制御棒を囲むスーパーセル体系において、制御棒による中性子吸収割合に対応する指標である制御棒中性子吸収面積(「制御棒に流入する中性子数」と「格子内中性子減速密度」の比)を計算する。計算体系は、制御棒を囲む4つの格子であり、1次元3群拡散計算により体系内の中性子バランスを求め、これを基に制御棒中性子吸収面積を計算する。この計算の際に必要となる制御棒表面における中性子束の外挿距離は「THERMOS」コード及び「DTF」コードを用いて、また、隣接格子の格子定数は「WIMS-ATR」コードを用いて各々計算する。
山口 隆司
PNC TN1410 97-028, 14 Pages, 1997/07
新型転換炉(ATR)の安全評価事象の内、「事故」の「原子炉格納容器内圧力、雰囲気等の異常な変化」に分類される事象における格納容器内の圧力、温度の評価には、原子炉格納容器内圧力解析コードCONPOLを用いている。ここでは、解析コードの機能及び解析モデルを示す。1.1解析コード本コードは、原子炉冷却材喪失事故が発生した場合における高温高圧の冷却材流入による格納容器内圧力上昇、温度上昇を評価する。そのため、本コードは下記の計算機能を有している。(1)原子炉冷却設備からのブローダウン量(2)原子炉冷却設備からの放熱(3)格納容器壁への蒸気凝縮熱伝達(4)格納容器スプレイ系によるスプレイ冷却効果1.2解析モデル本コードでは、原子炉冷却設備、格納容器、蒸気放出プールをモデル化し、それぞれに対し質量保存の式、エネルギ保存の式を基礎に、圧力、温度及び質量変化を求めている。
山口 隆司
PNC TN1410 97-026, 16 Pages, 1997/07
3次元核熱水力結合炉心計算コード「LAYMON-2A」は、ATRの出力分布計算及び制御棒反応度価値計算に用いられる。本コードは、臨界ほう酸濃度のサーチ機能等、炉心運用計画に必要な各種機能を持っており、炉心燃焼計算等の各種シミュレーション計算を行うことができる。なお、本コードの核定数は、炉心内の燃焼度分布、冷却材ボイド率分布、ほう酸濃度等を考慮するため、これらをパラメータとしたフィッティング式の形で入力される。さらに、「LAYMON-2A」コードにキセノン・サマリウムの動特性方程式を組み込んだ炉心3次元キセノン動特性解析コード「LAYMON-2C」は、炉心の出力レベル、出力分布変化に伴うキセノン・サマリウム濃度の時間変化を考慮でき、炉心3次元のキセノンによる出力の空間振動特性及び領域出力制御特性解析に用いられる。
上村 勝一郎; 河野 秀作; 矢野 総一郎; 加藤 正人; 森平 正之; 森本 恭一; 菊池 圭一
PNC TN8410 97-038, 447 Pages, 1997/03
ハルデン炉において、ATR実証炉燃料の負荷追従照射試験(IFA-554/555)を実施した。照射後試験のうち、すでに非破壊試験については全7本を、破壊試験については2本(IFA-554ロッド5及びIFA-555ロッド1)について結果を取りまとめた(既報第46報)。本報告では、残る5本(IFA-554ロッド1,2,3,4,6)の破壊試験結果について解析・評価するとともに、全7本の照射後試験結果について最終報告書として取りまとめた。得られた結果は、以下の5点である。(1)被覆管の軸方向の微小塑性変形の蓄積による燃料棒伸び量の増加及び燃料温度の周期的変化によるFPガス放出率の顕著な増加が見られなかった点から、負荷追従運転は定常運転に比して燃料挙動に顕著な影響を与えなかったと考えられる。(2)破損した燃料棒のうち2本の燃料棒(IFA-554-1及びIFA-555-1)は、使用した被覆管が腐食感受性が高いこと及び他の燃料棒に比べて高い線出力を経験していることから、異常な酸化により燃料破損したと推察した。(3)破損した燃料棒のうちIFA-554-5については、燃料初期に温度計装が断線した際、シール部からの水分混入による水素化、あるいは、製造時に被覆管内に残留した水素あるいは水分による被覆管内面からの水素化により破損したものと推察した。(4)上部クラスターのIFA-554-4,5,6の下部Zry-2ディスク充填部で被覆管に膨れ変形が生じたが、上記(3)と同様の原因によりZry-2ディスクが水素化したためと推察した。(5)被覆管内部の水素化の原因として、加圧溶接部の溶け込み深さの検査基準が明確でなかったことから、この部分から水分が混入したとも考えられたが、断面金相試験からリークのなかったことを確認した。
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PNC TN1410 97-014, 87 Pages, 1997/03
平成8年11月14日、15日の両日、動力炉分野を対象とした第9回安全研究成果発表会が大洗工学センターの展示館(テクノ大洗)で開催された。本発表会では、高速増殖炉(FBR)、新型転換炉(ATR)、耐震及び確率論的安全評価研究の各分野の動力炉に関わる安全研究課題(全48課題)の中から、安全研究委員会の各分科会での検討を踏まえて昨年度未発表課題を中心に14課題が選定され、平成7年度の成果についての発表が行われた。さらに平成7年12月のもんじゅナトリウム漏洩事故から1年余りを経ているため、特別セッションとして「もんじゅ」に関わる最新の解析・実験評価の情報を提供した。また、本発表会は安全研究の透明性のより一層の確保のため、今年度から一般公開としてプレス、インターネット等を通じ広く参加者の公募を行った。これにより従来に増して社外(原子力安全委員、科技庁、自治体、大学、原研、電力、メーカー等の原子力関係者)の参加を頂くと共に、プレスの参加も得られた。岡林大洗工学センター所長の開会挨拶の後、1)新型転換炉の安全研究、2)事故評価及びシビアアクシデントに関する研究、3)確率論的安全評価及びその応用に関する研究、4)運転・設計安全性に関する研究、5)ナトリウム漏洩事故関連の解析・評価の5セッションに分けられた各課題の発表が行われた。また、石川迪夫北海道大学教授より、「安全観の変遷とその背景-もんじゅ事故によせて-」という演題で特別講演を頂くとともに、安全研究委員会委員長である須田副理事長の挨拶が行われ、両日の最後に各セッションの座長より、セッション毎に総評及び総括が行われた。さらに、本発表会を終えるにあたって、中野安全担当理事の閉会挨拶により、盛況のうちに発表会を終了した。本資料は、今後の安全研究の推進・評価に資するために、発表会での質疑応答、各セッションの座長による総括及び講評、岡林大洗工学センター所長の開会挨拶、石川北海道大学教授の特別講演、須田副理事長の挨拶、中野理事の閉会挨拶、両日の出席者リスト等について取りまとめたものである。なお、安全研究調査票、発表会当日のOHP資料は各々TN1410 96-066 安全研究成果の概要(平成7年度-動力炉分野)、TN1410 96-068 平成8年度安全研究成果発表会資料(動力炉分野)に収録している。